SurfLab vol.36 | AIで迷子にならないための全体地図

2026-06-07

アプリの裏側を、画面・通信・処理・保存に分けて整理し、その地図の上に AI で作った小さな自動化と実務システム、AI モデルが動く場所を重ねて見た回。

この回のメモ

第36回は、前回の AI チームやエージェントの話が少し難しかった反省を受けて、AI そのものに入る前の共通地図を作る回になりました。髙橋パートでは「AIで迷子にならないための全体地図」として、人間、スマホやパソコン、アプリやブラウザ、インターネット、API、クラウドサービス、データセンターを一枚の地図に置き、いま話しているのが手元の端末なのか、画面なのか、クラウド側の処理なのかを確認しながら進めました。

画面のボタンや入力欄は「お願いの入口」であり、その裏側では通信、サーバー側の処理、データベースへの保存、結果の返却が動いているという見方を共有しました。飛行機やホテルの予約を例に、昔は人間が電話や台帳で行っていた処理が、いまはプログラムとサーバーで動いていること、さらに Google Drive や LINE、Instagram のようなサービスでは、データがクラウド側に保存され、複数のデータセンターに分散されることも話題になりました。

その地図の上で、髙橋が作った Yahoo 乗換案内から Google カレンダーへ予定を登録する Chrome 拡張を紹介しました。これは自分のブラウザの中で動く小さな自動化で、経路コピーやテキスト保存は手元側で完結します。一方で、Google カレンダーに登録する部分は Google 側のクラウドサービスへつながるため、インターネットが必要になります。同じ「AIで作ったもの」でも、どこで動き、どこにデータが残るかを分けて見ることが大事だと確認しました。

武嶋さんは、非エンジニアの立場から Claude Code で作った実例を共有しました。自分がよく行くサーフポイントの波情報を LINE 公式アカウントへ配信する仕組みや、毎朝届く英語リピーティング練習用の LINE 配信など、思いついた自分用ツールを短時間で形にした例です。ここでも、LINE 公式は API があるからプログラムから接続しやすいこと、個人 LINE は同じことがしにくいことなどを、髙橋の地図に戻しながら整理しました。

生成AIとエージェントの違いも、武嶋さんの実感をもとに話しました。生成AIは文章やアイデアを返すところが中心ですが、Claude Code のようなエージェントは、ローカルのファイルを見たり、作ったり、保存したり、外部サービスへ接続したりできます。クラウド上のチャット履歴と、パソコン上に残る開発履歴やファイルを区別しながら、ローカルに記憶や作業文脈を持つ意味を確認しました。

後半は、まず全員がエージェントに進むより、Google 検索の代わりに ChatGPT や Claude、Gemini に聞くこと、そして音声入力で長めに話すことから始めるのがよいという話になりました。プロンプトエンジニアリング、ChatGPT のモデル選択、Excel や画像の修正、LINE 公式と API、個人の知識や人格を残す AI など、参加者の質問も地図のどこに位置する話なのかを確認しながら議論しました。

最後に、業務活用の例として、宿泊予約サイトの集計、ダブルブッキング防止、チェックインの自動化、電話の一次応答、管理会社や顧客連絡の整理などが挙がりました。以前なら専門家に依頼して大きな費用をかける必要があった仕組みも、今は自分たちの業務を大きく変えずに小さく作り始められる。次回は、この地図を土台に、確認・整理・下書き・報告を日々の業務フローの中で支える AI エージェントの話へ進む予定です。

当日の様子